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  • 第三十九稿「DXの鍵を握るプロセスオーナー制度」-縦割の壁を超えるプロセスアプローチ-
  • 2022.01.13
  • 第三十九稿「DXの鍵を握るプロセスオーナー制度」-縦割の壁を超えるプロセスアプローチ-

■更新されない業務フロー、業務記述書、RCM(リスクコントロールマトリックス)
J-SOX法対応で多くの企業が内部統制三点セットと呼ばれた文書-業務フロー、業務記述書、RCM(リスクコントロールマトリックス)-を整備しました。しかし、その後、経営環境の変化の中でSWOT(強み、弱み、機会、脅威)も大きく変わっているはずにもかかわらず、これら三点セットの大幅な見直しを図ったという話はあまり耳にすることがありません。そもそも最初の段階であまりに作り込みすぎたという理由もありますが、原因はそれだけではないようです。

■ISO9000、内部統制で要求されるプロセスオーナー制度の形骸化
ISO9000や内部統制では、企業の業務プロセスがどうあるべきかを設計し、その運用状況に責任を持つ人としてプロセスオーナーの設置が求められています。多くの企業では、業務全体については執行役員や事業本部長といった役職者が担い、その詳細については課長レベルが担うという形になっていますが、その事実は、役職者は名目にすぎず、現場レベルでは強い権限が必要となる大きな業務改善は実現できないというのが実態ではないでしょうか。

■業務がわからない社員が増えている?
さらに困ったことに業務に精通していたベテラン社員が退職し、残った社員は業務があまりわかっていないという事態まで起きています。これでは業務改善どころか、現状維持すら困難であり、ルーチンワークでは対処できない場面に出会ったときに立ち往生しかねない危うい状況にあるといえます。特に、本当の意味のプロセスオーナーが課長レベルという現実を考えれば、部署と部署との間でやりとりされている連結業務部分に対する理解が不足しており、会社全体の業務見直しを図ることが極めて難しくなっていることが推測されます。

■DXへの障害はIT能力よりも業務能力の不足
自社の業務がわからないという状況は、DX推進においても大きな障害となります。IT能力は社外調達できても、自社の業務の詳細についてまでわかってもらうことは至難のわざです。現行業務の把握(AsIs分析)とあるべき業務の姿の構想(ToBe分析)、そのギャップから見いだす業務改善の設計は、自社の社員自身が中心となって進めていく以外に適切な方法はないのです。

■部署代表でつくるビジネスアジャイルの勧め
DXで先行する欧米企業においても、業務がわかる人材が少ないという事情はさほど変わりません。しかし、各部署から代表メンバーを集めてチームをつくり、いっしょになって業務改善について考えるビジネスアジャイルという取り組みが行われています。ビジネスアジャイルによって、部署の壁を超えた業務改善の議論が進む中で、DXにつながるIT利用が自然と出てくるのです。DXといえばIT化と短絡的に考えるのではなく、その本質は業務改善にあることを知り、まずはビジネスアジャイルの取り組みから始めてみてはどうでしょうか。